沖縄で古民家をリフォームするためのポイントは?沖縄の古民家の特徴や注意点を解説

沖縄で古民家をリフォームする場合のポイントを知りたい人も多いのではないでしょうか。

沖縄の古民家は、赤瓦屋根や石垣など、沖縄の気候や文化から生まれた独自の特徴があります。

その特徴を活かしたリフォームをすることで、特有の自然と調和し、伝統や文化を取り入れた沖縄らしい暮らしを楽しむことができます。

この記事では、沖縄の古民家リフォームをするための基礎知識を解説します。

沖縄の古民家の特徴やリフォームの際の注意点も紹介するので是非最後までお読みいただき、沖縄古民家を素敵にリフォームしていきましょう。

沖縄の古民家の特徴とは?

沖縄の古民家は、一年を通して温暖で台風の多い独自の気候に対応した工夫が多く見られます。

また、琉球王国を源流とする独特の文化に根ざした間取りも魅力の一つになっています。

それぞれ詳しくみていきましょう。

沖縄の空に映える赤瓦屋根

青空に映える赤瓦屋根は、沖縄の古民家のシンボルです。
赤瓦は首里城にも使われるなど、古くから沖縄の人たちが利用してきました。

素焼の赤瓦屋根は、太陽光を反射し、更に瓦の下にすきまを設けて熱をさえぎることで、室内を涼しく保つ効果があり、高温多湿な沖縄の気候を和らげてくれます。また、台風に備えて漆喰で固定されているため、強風や地震に対して落下しにくいのも大きな特徴です。

鉄分が多く含まれている土を低温で焼き上げた赤瓦は、製造工程で燃料となる薪の使用料が他の瓦より少なく、低コストで作ることができるというメリットがあります。

この伝統的な製法には古くから森に木を植え、山を守ってきた沖縄の人々の自然を大切にする思いが受け継がれています。

赤瓦屋根は、瓦の固定に使用される漆喰の耐久性が低いため、定期的なメンテナンスが必要です。

赤と白の美しい屋根をより長く維持するリフォームについても弊社にぜひご相談ください。

台風や魔物から家を守るヒンプン(屏風)

沖縄の古民家の家の正面には、「ヒンプン(屏風)」という石造りの塀が立っています。

沖縄の古民家には玄関がない家が多いため、表から建物内部が直接見えないよう目隠しの役割と、台風から家を守るためにこの「ヒンプン」が造られてきました。

文化遺産にもみられる代表的なヒンプンは石造りや瓦礫(がれき)と漆喰で造られた伝統工法で造られています。身近な素材を使用して、普段は風通しを保ち、台風の際は強風や豪雨から家を守っています。

生活面では、ヒンプンが広間などの公的スペースがある右側と、台所などの私的スペースがある左側を緩やかに仕切る役割を果たしていました。

また、文化的には、家の正面にヒンプンを建てることで「曲がることが嫌い」な魔物が家の中に真っ直ぐ入れないようにし、魔除けの役割も果たしていたと伝えられています。


古民家リフォームの際は、ヒンプンと母屋を中心とする景観のバランスを意識しながらデザインするのがおすすめです。

伝統的な素材以外にも、コンクリートやブロックを取り入れることで、耐久性を高めたり、外観を現代風な印象にしたりすることもできます。

琉球建築の伝統的な間取り

沖縄の古民家は一般的に南向きに建てられ、一番座・二番座・三番座・裏座という4つの部屋から構成されています。

伝統的な高い天井や広い空間の間取りは、室内に籠りやすい熱を逃がし涼しさを保つ役割を果たしています。

また、家族や地域の人たちとの団らんや慶弔・神事など行事の多い沖縄では、広い間取りは用途に応じて活用されてきました。


一番座は南面東側にある一番広い部屋で、神棚や床の間が置かれています。日常的には家長夫婦の寝室として、行事の際には主賓の座として大切に使われている部屋です。

仏壇のある二番座は主に客間として使われていました。日常的な出入りはこの二番座の縁側が使われ、玄関のような役割もしており、家の正面に配置されることの多い部屋です。

このほか、囲炉裏のある三番座は食事や家族団らんなどの居間、裏座は寝室や食料保存など、生活導線も意識した間取りが受け継がれています。


理想的な古民家リフォーム実現のためには、琉球建築の間取りのメリット・デメリットを明確にしながら、自身の優先順位と照らし合わせて間取りを決めることが大切です。

沖縄で古民家リフォームするときの費用や注意点は?


沖縄の古民家をリフォームする際には、費用を確認してから、現地調査で建物の状態を把握することが重要です。

また、法律を事前に確認しておく必要があります。

費用は改修プランによって変動する

古民家のリフォームの費用は、改修プランによって大きく変動します。

リフォームの規模や、施工期間、建材費用、人件費など、状況によって見積もりが変わるので、予算と改修の優先順位を考えながら改修プランを立てることが重要です。

全ての壁を壊し、柱だけが残っている「スケルトン状態」にして改修を行うと、リフォームの費用は高額になります(1000万後半~)。

その反面、一部のみの回収の場合は、リフォーム費用を抑えることが可能です。
たとえば、トイレの改修のみの場合は20〜50万円程度、キッチン改修は30万円〜リフォームすることができます。(トイレやキッチンにも様々なグレードがあり、それによっても大きくお値段が異なります。)

DIYを取り入れることで、作業工程を楽しみながらリフォーム費用を下げることも可能です。
漆喰や珪藻土塗り、襖や障子の張替や内装壁紙などの内装仕上げは、の作業工程も楽しく、「自分たちの手で家づくりをする」貴重な体験にもなるため、家に対しての思いが深まります。

安全税や耐久性の観点から、施工後のメンテナンスが自分でできる範囲のDIYがおすすめです。
R &LIFEでは職人の方による指導のもとでDIYを行う方法も提案しております。

またリフォームの内容によっては自治体の改修補助金、住宅リフォーム支援事業補助金補助金などの支援制度を使える可能性もあるので、詳しくは自治体やR &LIFEにご相談ください。

こちらの記事でも空き家改修のことについて詳しく解説しています。

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現地調査で建物の状態を把握する

古民家をリフォームする際、現地調査はリスク回避のためにとても重要です。現状把握なくリフォームをすると、見積もり段階でかなり高額になる場合があります。

現地調査では、水回りの環境シロアリの被害を確認することが重要です。

水回りの環境は、衛生面のほか配管の老朽化や、給排水設備のメンテナンス、上下水道や浄化槽など構造的な状況確認を行います。水回りを設置している床面は、湿気等の影響で老朽化も早いので、あわせてチェックが必要です。

シロアリ被害は、実際に壁や天井を壊すまで正確な状況がわからないことが多く、外観からわからないケースがよくあります。柱や梁などの構造面にシロアリ被害があると、改修費用が高額になることがあります。

また、雨漏りは台風の多い沖縄では、防災面・耐久性に大きく影響するため、丁寧に確認したい項目です。


住まいとしての安心感と、納得できる費用でリフォームを進めるために、床や柱など建物の歪みを確認するほか、基礎や柱の状態、床・敷居などのすり減り具合、これまでの改修・修理の履歴などを確認し、リフォームが必要な所を一つ一つ確認することが重要です。

沖縄で古民家リフォームで必要な法規制の確認と対策

沖縄の古民家リフォームでは、建築基準法などの一般的な法規制とあわせて、沖縄県や各自治体の景観条例について対応が必要な場合があります。

法や条例規制に違反すると、費用面で大きな損害となったり、近隣とのトラブルを招くなどのリスクがあるので、事前確認が必要です。


事前に確認が必要なのは、建築基準法景観法の2つです。

建築基準法とは、建物を建築・改修する際の最低限のルールを定めた法律です。この法令の施行前に建てられた古民家は、現行の基準に不適合となる場合があります。
リフォームの際には、現行法の内容を確認し、法規制に適合するように施工することが大切です。


景観法は、地域の美観の維持・増進を図るために、自治体が自主的な規制を行うことができる法律です。沖縄の景観地区の例としては、読谷村の座喜味城跡周辺とヤチムンの里周辺があります。

このエリアでは、建築物の高さ制限や屋根のデザイン指定、屋根・外壁の色指定などがあるので、リフォームを行う際に、景観法に基づく認定申請を行います。


規制内容や手続きは、各自治体によって異なるので、事前に確認してからのリフォームがおすすめです。

沖縄ならではの古民家リフォームを楽しむポイントは?

沖縄の古民家リフォームでは、沖縄特有の建材を使用した自然と共生する家づくり、沖縄独自の文化を楽しむ暮らし、南国ならではのガーデニングを楽しむことができます。

沖縄特有の気候に適した建材

沖縄の古民家をリフォームする際には、沖縄特有の気候に適した素材がおすすめです。それによって家が長持ちしやすく、沖縄らしい家になります。

沖縄の古民家では、ケヤキサクラ、栗、ヒノキなど、地元で伐採された木が使われている点が特徴です。

リフォームの際は、それら古材の活用をすることで、建築費用の節約になるほか、独特の風合いを楽しむことができます。

石材としては、沖縄諸島全域で産出される、琉球石灰岩が有名です。

この石は、海の中にあったサンゴや貝殻が、何万年もかけて積み重なってできたものです。
表面に小さな穴がたくさんあいているため、水をよく吸い、表面が熱くなりにくい特徴があります。

時間が経つほど味わいが出てくる素材なので、外壁やエクステリアに使用すると自然とよく馴染むとともに沖縄らしい美しい外観を楽しむことができる石材です。


沖縄県の一般的な民家では、コンクリート造りが8割と言われています。コンクリートを使用することで、シロアリ対策や台風・高温多湿の亜熱帯気候にも耐性がある家づくりができます。
伝統建材と現代の技術を組み合わせることで、沖縄特有の自然に対応した家づくりが可能になります。

沖縄の文化を暮らしに取り入れる

沖縄の古民家リフォームで、ぜひ楽しみたいのが琉球文化を感じる暮らしです。


沖縄文化を取り入れるには、魔除けの代表的な存在であるシーサーを設置してみてください。口を開けているものと口を閉じているものの対になっているシーサーは、一般的には口を開けている方が「オス」、口を閉ざしている方が「メス」です。屋根の上のシーサーは台所の真上の屋根の部分に置かれており、火を使う台所に宿るとされる「ひぬかん」を屋根の上で守っています。


花ブロックも古民家をリフォームする際に取り入れるのがおすすめです。戦後に発展した花ブロックは、実用性と美観を兼ね備えた建築素材として、沖縄で広く普及しています。コンクリート製の花ブロックは、台風やシロアリに強く、潮風にも影響されないため、沖縄の新しい工芸品として、リフォームにもよく取り入れられています。

沖縄の住まいに関する伝統文化としては、中国から伝わった風水が沖縄独自の形に発展した「琉球風水」があります。琉球文化を深く取り入れたい方は、専門家に相談してみるのもおすすめです。


琉球文化と南国の植物を楽しむガーデニング

琉球建築の庭の周りには、グスクといわれる石垣があり、台風の暴風雨やプライバシーから家を守りながら、沖縄の文化と自然が調和した外観つくりを担っています。

主に琉球石灰岩で造られ曲線的なデザインが多いグスクは、植物との相性がよく、華やかな色彩の植物も映えるので、南国特有のハイビスカスやブーゲンビリアなどの色彩豊かな植物がよく映えます。

また、世界遺産として登録された中城城跡のグスク周辺に自生するツワブキを取り入れると、情緒豊かな庭が楽しめます。

家を囲む屋敷林は、高木のヤシや、中木中心のブッソウゲ、リュウキュウチクという竹など、伝統的な植物が多く使われています。屋敷林に華を添えるには、近年琉球ハーブとしても注目されている月桃(ゲットウ)や、沖縄県のシンボルでもあるリュウキュウマツなどが風情を添えてくれます。

沖縄でガーデニングを楽しむ際は、高温多湿や台風被害を考慮して植物を選ぶのがおすすめです。

沖縄らしい小粒の柑橘シークヮーサー、多肉植物としても楽しめるドラゴンフルーツ、鮮やかな赤が魅力のハイビスカスローゼルなど、見た目も楽しみながら育ててみるのも面白いかもしれませんね。

沖縄の古民家リフォームの実例

沖縄の古民家リフォームの実例をご紹介します。

まとめ

沖縄で古民家リフォームをする際には、沖縄特有の地域事情を意識することが大切です。具体的なポイントは下記のとおりです。

●琉球建築の特徴や沖縄特有の気候特性を知る

●リフォームする古民家の実情を把握して、プランニング・施工をすすめる

●沖縄県や自治体の景観条例をふまえる

沖縄らしい古民家リフォームを楽しむには、独自の自然や文化を暮らしに取り入れることも大切です。

今回紹介した暮らしを楽しむアイデアも、是非参考にして、理想の古民家リフォームを叶えてください。

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